【批評祭参加作品】原罪と救済のパレード(反射熱 第五号)/古月
も言うべきだろうか。何気ない「ひとつの絵」に気がつける、作者の視点は優しい。
続く伊月りさの詩では、個人の記憶から紡がれていく糸がたくさん集まって、それが撚り合わされて世界が作られていく光景が描かれている。個人は孤独でも、個人の間には目に見えない「縁」とでも言うべきものが存在し、世界は共有されているのだ。
>点は線になり、
>感傷になり、
>経験になり、
>わたしたちは形成されて、
>
>わたしたちはいっそう、
>群衆になるからだろうか
個人の中にある無数の点が列を成し、破線を描く。そして、それは他者と欠けた点を補い合うことで、それぞれの破線を線にす
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