【批評祭参加作品】原罪と救済のパレード(反射熱 第五号)/古月
という、オープニングにふさわしい壮大なスケールで「個」をイメージさせ、静かな立ち上がりが素晴らしいイントロダクションとして機能している。また、地球という「個」の中に「地球に生きる命」という集団が内包されていることも興味深い。本誌を最後まで読み終えたあとに再びここに戻ってくると、また違った読み方ができて面白いだろう。短いながらも本誌を見事に象徴する美しい詩篇である。
同氏の「私は、見た。」は、「個」から一歩進み、「小さな集合」を描いている。「個」が集まって力を合わせるという日常の風景の中に、「じーんとくる」救済がある。それは現代社会に蔓延した「いやな世の中だな」といった空気からの救済とでも言
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