交差点/……とある蛙
には歩道の反対側に辿り着いた者もいたが。その時には歩道は葡萄色の得体の知れないゼリー状の物の怪が堆積しており、やはり転倒しその物の怪の胃袋に収まった。絶望的な交差点は突然の驟雨に流されてあっと言う間に元の奇麗な交差点に戻り、初夏の鋭い日の光の中に人々は歩いていた。何事も無かったように。
2
日曜日のお昼
僕は交差点を渡る
話し声や車の音
店の音楽やビラを配る声
人人人の交差点を渡る。
本屋には行った。
電気屋に行こうか
CD屋に行こうか
僕はうれしくてなって
わくわくして交差点を渡る
でも交差点には
もっとたくさんの人達が出てきて
僕の前を歩いて行く
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