勝利という概念は記号の罠だ 仮説メモ/結城 森士
出来てしまう」のだ。
「生命の本質的な側面を、そしてその存在意義を否定する」ことが可能なのだ。
だが、私がここで言いたいのは、人間の抱えるその葛藤が無意味だといいたいのではない。世界はどうせ弱肉強食で、劣性は消えるべきだと言いたいのでは決してないのだ。
ここはよく考えるべきだ。私達は生物である。しかし、生物は単純な二項対立に落とし込まれているだけなのだ。それは、生物にとってそれが最も有効で効率的だからだ(というよりも、効率的な生命が生き残っただけであるが。)
理由は、その「効率的」ということだけである。生命は何も本来的に勝負の本能を取り入れたのではない。その方が「効率的であり、生き残れ
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