勝利という概念は記号の罠だ 仮説メモ/結城 森士
 
残れるから」という理由だ。

僕達人間は、記号化の枠を超えることが出来る(それは芸術によってでもある)。生物の抱えている単純な二項対立の記号化を、人間が思想的に断ち切る事だって可能なのだ。今だからこそ。本能だって否定していいのだ。

「僕達は争いたくないのだ」

と、人間は声を大にして宣言するべきである。全生命に向けて。不可能であったとしても、人間は記号化という誤った認識を捨てて、正しい認識を持つべきである。私自身はそうすべきだと思っているが、結論は人それぞれだ。別に「弱肉強食が生命の摂理。劣性は消えろ」と考えていても構わない。ただ、私はそう思いたくないのだ。生命の摂理に反しても、「僕
[次のページ]
戻る   Point(3)