僕の魂は劣化している/真島正人
 
まっているし
ろくにものを食べていないから
始終唇が震えている
僕は蹴飛ばして帰ってきたよ
そいつを

アイスクリームみたいに
甘い夢を見たんだ
口の中が等分で一杯になるような夢を
僕はたらふく食べて
喜んでいた
目が覚めたら
そんなものどこにもなかったけど
ちっとも悲しくなかったよ
だってアイスクリームなんてうれしくないんだ
子供のころだったらともかく
もう甘いものなんて食べたくならない
そのことが余計悲しかったんだ
余計悲しかったんだ
余計悲しかったんだ

ねぇ
僕の魂は劣化している
ふりをしている
劣化しているってことを言い訳にして
ゆったり
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