僕の魂は劣化している/真島正人
たりと寝そべっているんだ
不思議なんだけど
僕はたくさんいいことをするし
悪いことなんてこの数年間一度もしたことがない
きわめて善良なんだ
そして僕は
ゆっくりと嘘をついているのに
ちっとも安らいでなんかいないし
どんどんどんどん
疲れがたまっている
劣化していないことのほうが
時には疲れるんだ
そしてきっと劣化していっても疲れると思うから大変だよ
昨日海を見に行くと
真っ黒い影が
砂浜中に落ちていた
僕は怖くなって逃げ出して
帰ってきたんだ
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