連続性に恐れをなして/真島正人
疎化した村を生んでくれまるで
卵でも植え付けるように僕は
迷いながら君を抱くだろう
昨日
立てあがったばかりの
ガラス張りのビルで
※
昨日僕は
吐き気がした
僕の髪は
まだら模様で
臭い
まるで
犬の子供みたいだ
生まれたての粘膜の
匂いがする
一方で君は
馬が大好きで
鬣を触ると
「ホウホウ」
と鳴く
僕はその鳴き声に
呼ばれてしまった
君を愛しているんだ
正しいことを探して
姿勢を変えれば
世界が殉教してくれる
昨日君の指先で
現代史が死んだし
僕はベリオの歌を
食べてしまった
よく租借して
ペッと吐き出したら
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