連続性に恐れをなして/真島正人
 
疎化した村を生んでくれまるで
卵でも植え付けるように僕は
迷いながら君を抱くだろう
昨日
立てあがったばかりの
ガラス張りのビルで



昨日僕は
吐き気がした
僕の髪は
まだら模様で
臭い
まるで
犬の子供みたいだ
生まれたての粘膜の
匂いがする

一方で君は
馬が大好きで
鬣を触ると
「ホウホウ」
と鳴く
僕はその鳴き声に
呼ばれてしまった
君を愛しているんだ
正しいことを探して

姿勢を変えれば
世界が殉教してくれる
昨日君の指先で
現代史が死んだし
僕はベリオの歌を
食べてしまった
よく租借して
ペッと吐き出したら
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