脳が頭蓋をヒカキ、夢を見た/影山影司
られたのではない。餌を待っているのだ。
ガリガリの死体はカリカリの死体になり、適当にヒカキ棒で砕かれてガンジス川に流される。すかさず四足が腕だのわき腹だのに噛み付き、炭化した皮膚を撒き散らしながら道端へ引きずり、真昼間から焼肉としゃれこんでいる。牙を突き立てると、肉汁が滴り、それがたまらないと、犬の舌が踊る。
川への埋葬を望んだ死者の魂はそれを知ってか知らずか、二度三度、息継ぎをして、そのままとぷんと沈んで、見えなくなった。
聖なる川のよどみにごった流れに身を任せ、この魂の穢れを取り払いたいと、あなたはいつも考えている。まるで『まだ取り返しがつくのだ』というように。
ベッドで眠
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