滑った感じ/八男(はちおとこ)
 
のテンションは再起しないんだな。結局また、この煙草に帰り着くしかないのか。そんなおっさんの諦めというか、悟ったものが、この煙草を吸っている間、雲散していく煙と共に伝わってきた。
 
 おっさんの弁髪を見ると、なにか、物悲しい思いがしてきた。きっと、この弁髪も、明日、おっさんがどこかの職場に出勤するとき、剃り落とされるのだろう。今日この日のために、わざわざそうしたのかな思うと、涙が溢れてきた。

 ビギナーズラックの友人。おっさんにとっての私。おっさんが、私の手のひらの上でころころと転がっている。どうしてそんな、檻にかかった猿のように運命的なものが、このおっさんなのだろう。これが、めちゃくち
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