滑った感じ/八男(はちおとこ)
 
びて、ぐるぐるまわって、天井から突き抜けている。キャンバスから日光が漏れてきていて、昼間はランプが無くても明るい。地面にはフォークリフトで使うパレットが敷かれていて、その上に毛布が被われていて、腰掛けられるし、寝転びもできる。ティピ内では、上着を脱いでもあたたかい。五、六人は軽く入れそうだ。
 
 おっさんは、目の前に実体が来たことで、安心していた。私が素直な空気で面したので、余計に安心したようだ。私を確認して、すぐにストーブに焚き火を焼べるのに集中しだした。火のほのかな赤い明るさにおっさんの顔が照らされて、たくましく映った。ティピの中でこうして座って焚き火にあたっていると、無意識が刺激されて
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