どんな理由をつけたってやってることはたいていお見送りなのだ/ホロウ・シカエルボク
いくつかの要素が
この世界が欲しがっているものを少しずつ奪い取ってゆくのだ
「雨の音はまんざら嫌いじゃない」なんて夢見がちな野郎がうそぶくせいで
レインドロップはますます調子づいて断末魔の12月を濡らし続けるのだ
台所には昼飯を食べるのに使った茶碗やなんかが水に浸かっているけど
今日はもう立ち上がる気になどなりはしないので放っておくことにする
俺が洗わなければ誰も洗わないというわけでもないのだ
何週間ぶりかで浴槽に湯を張って身体を沈めたけれど
身体はもうそんなことは忘れようとしている
終わらない入浴みたいなものがあればいいのになと時々俺は考える
それがどういうシステムで展開され
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