残留思念/ホロウ・シカエルボク
 
いつしか白骨になる
空から幾千の水が降ってももう戻ることはない肉
真白
真白過ぎて涙が流れてしまう
生まれたときには判っていた遠くまで駆け抜けることの大切さ
まだ昨日までは判っていた遠くまで駆け抜けることの大切さ
一瞬でなんの意味も持たないものになった
指先が白く透き通った時のあきらめ
どんなことをしても元に戻らなかった
心まで冷たくなるのにあとどれだけかかるだろう
ただしんとしただけのかたまりになるまでにあとどれだけ
出せなかった手紙みたいな心残り
それは出してしまえば済むというような
種類のものではないのだ
遠いね
なにもかもすべて
無限の中へ吸い込まれてゆくみ
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