残留思念/ホロウ・シカエルボク
くみたい
いまにして思えば
全部なんでもなかったことみたい
ただぬくもりにはりついて
満たされたみたいな気分になっていただけだった
たましいみたいな虫が飛んでいる
むきだしの身体はさぞかし寒いだろうに
冬生まれなのか
あたたまることを知らぬままずっと輪廻していくのか
凍えぬ羽をはばたかせることは
誇らしかったりもするのだろうか
そんな風に出来あがってみたかったけれど
もう
いまでは済んでしまったことだ
あの北極星が新しい時間に溶けるころ
わたしは
産まれなおすことが出来るだろう
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