思春期の芸術的な衝動について/結城 森士
人の力や親の権力で縛り付けることになりかねません。これでは、ますます世の中の不条理を意識することになってしまいます。
話を戻します。
他者に対する批判を持った思春期の人たちの中には、他者に対する批判を、言葉で表現しようとします。しかし、それらの多くはとても抽象的で、とても他人に通じるものではありません。何かを伝えたいという気持ちは切実に伝わってくるものの、その内容が抽象的過ぎて、自分以外の誰にも分からない、そんな文章を多く見ます(まさに、この文章のように)。彼らの文章は自己完結してしまっています。他人に理解してもらおうという気はないのかもしれません。他人のためではなく、自分のために書
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