思春期の芸術的な衝動について/結城 森士
 
間は自分にコンプレックスを抱えていることが多いです。優越感や劣等感といった2項対立の落とし穴にはまってしまっているからです。そのような子供は、自分以外の何者かに対する反発の心が大きくなっているのですが、多くの子供たちはそれを理論的に説明することが困難です。たいていにおいて、「短絡的に馬鹿にする」とか、「極端なほどの軽蔑の眼差しを送る」といった行為で表現してしまいます。
 それらのほとんどは、「自己正当化」からくるものです。
 彼らは、他人と自分を比較した際、他人より優れている自分や、他人より劣っている自分を自覚します。自分を立脚しようとし、大きな夢や志を持っている人こそ、自らを信じようとするあ
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