まるで神様のような今日の夕暮れ/草野春心
 
クみたいに
  複雑でそれでいて
  滑稽なのです。
  ―親愛なるひとよ。
  そのひとつひとつを、
  手にとって
  抱きしめてください。
  恋人のような
  柔らかい囁きで、
  照らしてください。



  雨があがって
  あの絶望はどこか
  知らない何かの影へと溶けて
  それなのにぼくは思い出そうとしている
  痛みの虚像を
  血眼になって探している
  古い卒業アルバムで
  友だちの姿を探すみたいに



  部屋じゅうに、ぼくは、散らばって
  かけらが足りない。足りない。
  ベッドの下とか、
  本のページの間と
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