まるで神様のような今日の夕暮れ/草野春心
間とか、
必死で探しても見つからない。
部屋じゅうに、ぼくは、散らばって
呼んでいる/求めている。
小さな声で、
とても小さな声で、
ぼくにはきこえている。
部屋じゅうに、ぼくは、散らばって
あの光を、待っている。
あの手のひらを、
あの囁きを、
じっと待っている。
膝を抱いて……。
とうに
雨はやんで、
まるで神様のような今日の夕暮れ
―親愛なるひとよ。
そこに、
ぼくは居ません。
―親愛なるひとよ。
あの輝きが
あなたであるのなら、
待っています。
ぼくは待っています。
いつまでも……
部屋の何処かで。
世界の、何処かで。
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