まるで神様のような今日の夕暮れ/草野春心
来る。
かれらはアイロンがけでもするような爽やかな仕草で
ぼくをぐちゃぐちゃに引きちぎってばら撒いた。
……苦痛はまるで無かった。
/フローリングの上に散らばったぼく(たち)は
死臭をもたない死体(たち)のようだ。
つるつるしたミイラ(たち)のようだ。
雨の音は(音の雨は)むしろ陽気に
箪笥の下にころげたぼくの左(に付いていた)耳を濡らし、
ジーンズの尻ポケットの中で
ぼくの右(左?)眼球はただ天井を見上げていた。
/徹底的に磨きぬかれた散文のような絶望……
/
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