まるで神様のような今日の夕暮れ/草野春心
 
だけにされても勿論、降り続けた。
    (沈黙を手に入れることはたやすいが、
     静けさを手に入れることはいつだって難しい。)
    無音の騒音が心の中から飛び散っては、
    今度はぼくの体に突き刺さり
    数えきれない無惨な穴をあけていった。
    こういうとき爪を噛むのがぼくの悪い癖で、
    屁にもならない痛覚と
    カシカシという噛み音が(……ホラ、結局音だ。)
    ぼくの気持ちを落ちつけてくれるのだ。



   /微弱で間歇的なかなしみは
    いつの日も体のどこかに引っかかっていて
    たぶん生まれた頃から引っかかって
[次のページ]
戻る   Point(2)