まるで神様のような今日の夕暮れ/草野春心
だけにされても勿論、降り続けた。
(沈黙を手に入れることはたやすいが、
静けさを手に入れることはいつだって難しい。)
無音の騒音が心の中から飛び散っては、
今度はぼくの体に突き刺さり
数えきれない無惨な穴をあけていった。
こういうとき爪を噛むのがぼくの悪い癖で、
屁にもならない痛覚と
カシカシという噛み音が(……ホラ、結局音だ。)
ぼくの気持ちを落ちつけてくれるのだ。
/微弱で間歇的なかなしみは
いつの日も体のどこかに引っかかっていて
たぶん生まれた頃から引っかかって
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