まるで神様のような今日の夕暮れ/草野春心
 
 ?.徹底的に磨きぬかれた散文のような絶望

   /徹底的に磨きぬかれた散文のように絶望が
    この世の輝きを蹂躙し、闇を敷き詰めていった。
    ぼくは部屋の中から黙ってそれを見ていた。
    鈍い色をした雲から、雨が幾筋も垂れ下がっていて、
    時間の感覚をぼくからかすめ取っていった。
    使い古したゴム長靴が
    ベランダの端で濡れてゆくのが見えたけれど、
    なんだか遅回しのビデオでも見ているみたいに感じた。
    それから……(それから、っていつからだったっけ?)
    ぼくは徐にカーテンを閉めたのだ。



   /雨は音だけ
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