二ページ目に恋の一文字/光井 新
私は、なっちゃんには悪いけど、雪が降るとなんだかわくわくしてしまうのです。カチカチとシャーペンのお尻をノックしては、ペン先に出た芯を人差し指でしまって、そんな事を十分位繰り返して、不謹慎にも私は、雪が降った事にはしゃぐ心を正直に、ショコラの一ページ目に書いたのでした。書き終えて眠ると、ショートケーキの夢を見ました。
朝、目が覚めるといつもより朝陽が眩しくて、慌ててレースのカーテンを開けて窓から外を見てみると、町中が生クリームでデコレーションされたケーキのようになっていました。夢のような景色に、私はパジャマ姿のまま外に出ようとしましたが、朝ごはんの支度をしていたママに叱られ、着替える事になりました
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