臓腑の風景/ホロウ・シカエルボク
 
おお、おおおお、まるで何かを殴りつけているみたいだ、お前は運命が憎いのかい、お前は人生が憎いのかい
お雨が憎んでいるものは他でもない自分自身だって知ってるか
その執拗さはきっと確かに理解しているんだろう
ガラ空きの、ガラ空きの、ガラ空きの腹腔、指でなぞると汚れたガラス瓶みたいだ、腐った水みたいな何かが指先にへばりつく、洗い落とせ、すぐに洗い落とせ、そこから二度と出られなくなるぜ
生命が悲鳴を上げる時は本当に駄目になる時だ、だけど決してそれでおしまいってわけじゃないんだぜ
帰ってこようと思えばどこからだって帰ってこれるんだ、こだまよりも確かに、約束よりも早くに
それがおしまい
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