臓腑の風景/ホロウ・シカエルボク
殺せ、殺せ、殺せ、もういっそ狂えないなら
感情の腹を裂いて詩情を殺してしまえ
ぼとぼとと、ぼとぼとと、零れおちる音が聞こえる、俺は狂っているのか、俺は狂っているのか?
狂っちゃいないよ、俺は正気だ、だって昔からこうなんだから
お、お、お、俺の腹腔、腹腔から、ぼとぼとという音がまだ
壊れ切った機械を愛せるかい、作動しないガラクタを
美を知ろうとしない心を愛せるかい、この足元の血だまりのことを
晴天の下で雨が降っているみたいだ、俺の足元だけがぼとぼとと濡れている、雨よ、雨よ降れ、なにも洗い流せない雨、ははは、はははは、ただどんよりとした溜まりを作っていくだけの雨
おおお
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