冬の宿る/月乃助
先から落ちる
雨の冷たいしずくが、見つめていたり
【who】 街角をあるいて行く
イヌのといきの白さが、おきざりにされ、
【how】 密な等高線をすすめるように西の海から
陰鬱な冬雲は、徐々に浸蝕を始めています。
すでに、妥協しない次の季節がもうそこへ立っているのを
とまどわずに見つめるだけ、
それを認知する瞳のまたたきは、わずかばかりの電流のいざないから
秋の残る中心のその奥深くに生まれた冬は、
受け入れた光を反射し
眼球の表層へと出口を求めるように
光速の中をすすみ出ては、
それが法則であるように移行する想い。
逝く季
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