夜町/within
のよう しかし死神でも立派な神様だ
海の向こうには烏を神と崇める部族もあるらしい
身体中を黒く塗り、黒いマントを翻し、木に登り
枝に立ち、叫ぶ
俺がいる 俺が見ている
僕らの死は彼らがどこからともなく見ている
森深く入った暗がりの中から一本の杉にとまった彼らが
窓から見える、息を引き取ろうとしている老人を見届け
予知したように事故の瞬間に絶叫し
マンションの屋上から飛び降りる少年の肩にのり
ひっそりと老木が呼吸をするように眠る老婆の上を
飛んでゆく
死ぬことなんて怖くないと嘯いていたヤクザに落ちぶれた幼馴染が
夜眠れないからと病院に通い始めた
明るく
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