立つ勢いの豚/カンチェルスキス
 
ョンカタログの束をパレットに積み上げていく。
何度も何度もやった。
男のワキガがすれ違いざまにきた。
おれはそこで息を止め、後になると何もしなくなった。


あのさ、今度選挙あるだろ。
どの党に入れるか決めてる?
まだだったらさ、公明党に入れてくんない?
いや、とりあえず比例はさ。市長選は相乗りだから。
自分とこの選挙区は弱いんだよ。もっと伸びるといいんだけどさ。
ぜひ、考えてよ。
貴重な一票をさ、オレたちの未来の幸福のために。


休憩時間の食堂の一角は
バイトのやつらで華やいだ。
男も女も最初から友達みたいに
自分の電話番号を交換しあっていた。



[次のページ]
戻る   Point(3)