Sympathy for the end/木屋 亞万
 
底に沈むあの草食獣の角は原形を留めているだろうか
億千万のガラスの破片は丸い宝石に加工され終わっただろうか
沈没船と化した方舟は魚の住処として活躍しているだろうか
魚?水中の生物は海水温の上昇に耐えられただろうか
そうか、無酸素状態に耐えられずに死んでしまったか
波打ち際の腐った魚の死骸を啄ばむ鳥すらいないのだから
死がいかなる生産にも繋がらない、腐臭が浜辺に漂うだけ
混じりけのない磯の香りを嗅ぐことができるのは
一体いつのことになるのだろう

{引用=
世界の終わりとかつて地上に暮らした人間が言ったもの
つまるところ世界の終わりは人間の終わりというだけで
(言葉というも
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