Sympathy for the end/木屋 亞万
 
へと昇っていく
それは川にさらされた幾人もの哀れな女の長髪のように
大空へとひたすら流れていくのだった

森林が燃えている
人間の住む町に包囲されながら
何とか生き延びてきた地球の原風景が死んでいく
手を取り合うように集まって
生き延びていた最後の大森林が
火に焼かれてしまった夜に
大自然を生きたまま火葬した黒煙が
透明の雨を地上に降らせた
土壌を縛る根は一つも残っていない
ありとあらゆるものは海へと流されていき
粉々になった砂粒と、霧のような水滴だけが
地上を覆うことになるだろう
大陸に足跡を残した動物はすべて動かぬ骨になり
風の吹く音と水滴が地を叩く音だけが
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