忘れられない言葉/南波 瑠以
 
全身を襲い、動かない体でのたうちまわった。この後のことは覚えていない。

 次に記憶があるのは25日の夜。相変わらず激しい全身の痛みと、自由に動いていた体が急に動かなくなったことへのショックで錯乱状態だった。動いていた体が急に動かなくなるということは、想像以上に辛いものである。歩き方、跳び方、倒立の仕方…全部全部頭の中ではイメージ出来るしビジョンも浮かぶのに、体だけが言うことをきかない。「ほんの数時間前までは出来たのに…。」そう思うと自分の体に対する怒りと悔しさでいっぱいだった。
 そんな時、私のいたICUに中学の時からの親友と、その家族が来てくれた。元々面会の出来ないICU。私の年齢のこと
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