忘れられない言葉/南波 瑠以
 
。私はその言葉を思い出し、まず彼女に心配はかけまいと考え、
「さやかがローソンにおるし、ちょっと帰るの遅くなりそうやから先に帰っとけ…って、そう伝えて…。」
と友達に頼んだ。友達は快く引き受け、ローソンへと走ってくれた。
 しばらくすると救急車が到着し、私は担架で関西医科大学付属病院まで運ばれた。車内では様々な質問をされたが記憶になく、覚えているのは、
「首は動かさんと、ハイかイイエで答えて!」
という救急隊員の言葉だけである。急患室では医師や看護師が慌ただしく動いていた。体中がどんどん熱くなってきて、私は氷を求め口に含んだが、すぐに嘔吐した。体が受け入れなかった。同時に激しい痛みが全身
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