湖のように豊かな、浦歌無子さんの詩集 『耳の中の湖』/イダヅカマコト
 
で走り出しています。

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ほかにも私が好きなのは『それは雨ではなくて』

『蛇口から白い小鳥』では花の名前が繰り返されていたのに対し、この詩で繰り返されるのは金魚の名前。

{引用=どこかの蛇口から水がこぼれていて
それは雨ではなくて
あなたの手はふるえていてうまく火がつけられなくて
ライターを何度もかちかちと言わせていて
わたしは反対にからだのあちこちでその都度場所を変えながら
勝手に生まれる火種をどうやって消したらいいかわからなくて
猩々 素赤 赤更紗 白更紗 キャリコ 丹頂 小窓 六鱗
どこかの蛇口から水があふれていて
それは雨ではなくて
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