世界中の人にそっぽ向かれた日のこと/ゐおり
 
質疑は優しい歌のようです。何もかもを忘れてしまいたくなるような歌。
しびれる思考を無視して、あたしは『はい』とか『そうですね』といい加減な応答を繰り返しました。
あたしはあの時、その場所にいなかったのかもしれません。

そんなあたしに、神様はどこまでも優しく笑いかけて下さいました。

神様は何をお考えなのでしょうか。
あたしには想像もつきません。

一時間ほどの審議の結果、あたしは無罪になりました。悲しくて悲しくて、あたしは空っぽになりました。有罪だったのなら、きっと一杯になって泣いていたでしょう。もしかしたら全て嘘かもしれないけれど。

帰りの森は静かでした。太陽たちは寝入
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