世界中の人にそっぽ向かれた日のこと/ゐおり
寝入っている様子で、そのため、蟲たちが死ぬこともありませんでした。
夜の輝きはやはり見えず、入り口に立っていた時と同じ暗さが満ち満ちています。あたしは心細くなりました。けれど、目を凝らせば道はあり、あたしは来た時を思い出しながら歩を進めました。
寒く、静かな道でした。
流れ消えていく世界は、あたしと目も合わせてくれません。あたしは『死んじゃえばいいのに』と呪いの言葉を吐きました。
おわり」
「で、その話のオチは」
「翌日目が覚めると二十四歳になっていましたとさ」
「くだらない話だな」
「くだらない話だね」
言い合って、同時に空を仰いだ。
浮かぶ太陽は今日も一つだけ。
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