世界中の人にそっぽ向かれた日のこと/ゐおり
 
縺れる足を動かし、神様のおうちにお邪魔しました。

案内されたのは大きなお部屋でした。入り口の正面には窓があって、両の壁の一面には本がみっちり納められた棚。部屋の中央には楕円形のテーブルと六つの椅子が置かれていました。
椅子に腰掛けたあたしが本を眺めていると、神様が『本に興味があるの』とお声を掛けてくださいました。あたしは素直に『はい』と答え、『大好きです』と続けました。
あの頃のあたしは本当に物語が好きで、覚えたばかりの読書と言うものに、毎日時間を割いていました。
本当に幸せな時間でした。
あたしの言葉に微笑んだ神様は、『そうなの。じゃあ少し見てみる?』とおっしゃいました。嬉しい提案
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