世界中の人にそっぽ向かれた日のこと/ゐおり
 
き詰められた板石の上に、何かがぽとぽとと落ちてきます。太陽に焼かれた蟲たちでした。苦しそうにもがく蟲の姿にぞっとして、あたしは太陽が嫌がらせをしてきたのだと思いました。踏んでしまったら恐いなと思い注意して進みましたが、結局二匹ほどつぶしてしまいました。靴の裏を確認する勇気はありませんが、くしゃっという音が二回したので間違いありません。
暫く森を歩いていると、神様のおうちが見えました。鐘を鳴らすと茶色のぺかぺかした扉が開き、神様が笑顔で迎えてくれました。
優しそうな神様で、あたしは思わず顔を伏せてしまいました。
悲しかったのです。
神様が『お入りになって』とおっしゃいました。
あたしは縺れ
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