「うつわの水」/月乃助
それを染め上げる努力をおこたらない
池の水は、すべてを確かめながらも ただ黙ったまま…
水が定めにその形をかえようと、
器は、それを望んでいるのですか ―□―
何かをささえる、それに嫌気をさしたなら
それ自体をなくしてしまう考慮がいるのでは、
【 器が存在するのがイケナイのかもしれない 】
それがなくなった時には、
束縛をなくした自由へつづく解放がやってくるはず
ほんの少し心に宿って形をなす
器をなくそうと、人は苦労をしてきたのではないのです
それよりも、強固な器を、他人と共有できるような
そんなものを作り出そうと夢を追い続けきた
そのために、幾千億も
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