カット詩集/生田 稔
 

寒中に赤ワイン
母くれしペン夜寒に
異国の空の寒き夜

「霜」
友情を思う立冬に
湧き水のそば霜月
永久の命をと小寒き日

「絵」
絵につきて悟りを開く
高く飛び人に勝や冬の蝶
今日は写楽でノベンバー

「草」
浅き冬・琵琶湖・三上山
水草実栗生ふる池
咲き乱れにし夕の菊

「温」
菊咲きて秋
読書とともに足温器
息子描く絵のおおらかさ

「黒髪」

黒髪や秋っ中
茄子料理・キリンかな
色付きの小石買い


「鳥」
枯れ葦に小波ゆらぐ
沈みゆく夕陽の姿
風吹きすさぶ湖辺に鴨ら遊びて
十二月水面低く飛ぶ鳥
近江富士かすみて
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