Winter Blue/ホロウ・シカエルボク
 
こにピアスがあろうとなかろうと


駅の近くで人が塊になってた、隙間から覗いてみると道の上におびただしい血痕
「女子大生が若い男に刺されたらしい」俺が興味を持ってるように見えたのか、通りすがりのおやじがそう教えてくれた「出来ればお前がやりたかったか?」
まさか、と答えてそこを離れる、唐突な詩情は失笑を買うだけだぜ、ヘルマン・ヘッセでも読んで勉強しなよ
現場から少し離れたところで、人の流れを止めないように頑張ってる警官と目が合う、やつは無意味に俺を憎んでいるみたいに見えた
深呼吸をするとナマ温かい、行き場所をなくした血液の匂いがした、ああ、ああ、もうじきほんとの冬が来る
彼女はさっき
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