死んでしまった女の子から貰った手紙/あらら
などがとりとめなく書かれていた
返事は書かなかった
手紙を貰った時には
僕は前の女房となる女と付き合い始めたころで
それどころではなかったし
同じような趣味をもつ娘だったから
少しは気になる存在だったとは言え
正直なところ彼女とは
手紙をやり取りするような
特別な話をした覚えもなかったし
それに何より返事として何を書いたらよいのか
全くさっぱり訳が分からないような
とりとめのない手紙であったということなのだ
しかしそれから
何年かおきに
ふとその手紙を読み返してみることがある
その度に思うのは
手紙の中の彼女は今も二十四歳だか二十五歳のままで
時を
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