あなたの右手は狂人だ/ホロウ・シカエルボク
 
れを開くと10数万の金が入っていた、やれやれ儲かるもんだな占い師ってのはなんて思いながらタクシーを止めてもといた街へとゆったり帰り、ちょっと豪華な夕食を食べて、部屋に帰ってテレビをつけるとニュースの時間だった、「占い師病院で死亡」そんな言葉がいきなり飛びこんできた、俺は狼狽したが、誰も今日のことを俺のせいだなんて思わないだろうと思って気持ちを落ち着けた、念のため札入れはきちんと処分して、残った金を自分のポケットに入れた

次の日の目覚めは最悪だった、死に忘れに他人の死がまとわりついているわけだからどれだけ酷いか想像も出来ようってなもんだ、俺は自分の右手をしげしげと眺めた、たいしていいとは言えな
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