動脈のような潮騒/ホロウ・シカエルボク
綴れない、だからこそ俺はここに居るのだ、そうだろう、そうじゃないのか?生まれたい、生まれたい、生産してくれ、永遠の砂浜
構造に爪を差し込んでこじ開けるような毎日、だから指先はいつも痺れたような疲れに取り巻かれている、俺の指を優しく包んでくれる真実、だけどそれはたったの一日で死に絶えてしまう、荼毘に付される夢を見る、生きたまま、手足を縛られて…うずたかく積まれたからからに乾いた藁の上で身悶えるのだ
熱い、熱い、熱い、焼けただれた皮膚が今生にしがみつくんだ、俺の指先を見ろ、またこじ開けようとしている、そして赤い熱に包まれ、動脈のような赤い熱に包まれ…
夢から帰ってくるといつでも目の端に赤い
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