動脈のような潮騒/ホロウ・シカエルボク
し示すことが出来る一点などあるわけもないのだ
海岸線は動脈のように赤く点滅しながら終わる、ああ、終わった
ああ、終わった…
海老の死体のように砂浜に積み上がる今日という思念の死体、俺は枯れ草を集めて火をつけた、思念の死体の死にざまは気に入らなかった、全然気に入らなかった
なにを、なにを幸せそうに終わっていやがるんだ、てめえはなんにもかなえられなかったじゃねえか
綺麗な言葉がつらつら出てくるのはそんな自分を判っていたせいだろう、墓碑銘が飾られるのは哀れみみたいなもんだろう
なにを幸せそうにくたばっていやがるんだ、そんなもの俺は良しとしたりしないぜ、絶対に良しとしたりしない
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