詩想/黒乃 桜
別に、大人びている訳じゃなかった。
煙草吸ったって酒飲んだって女の子を口説いたって喧嘩したって、それは小さな反抗心と大人の真似っこって事で。
仮面やら鎧やらを風呂に浸かってシャンプーで洗い流したような状態で言うとすると、ただ迷っていただけだ。
それと同時に嫌っていた、そんな風に弱くなる自分を。
そして時たま思っていた。
こんな事を続けていれば、きっといつか屋上から突き落とされるみたいに思い知らされるんだろうって。
その時また今のように立っていられるかっていうとそうではなくて、そしたら自分は自分ではなくなっていて。
そんなのって無いよ。
言う割にはまた、誰かを殴った後にフェンスにもた
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