ラムネに贈る/空都
いおもいの恰好で
声を殺して泣いていた
ひとしきり天を見上げていた君は
ため息を吸い込むと
大きく二回
手を叩いた
そこにいた人は皆君の方を見ていたけれど
充実感のある晴れやかな顔がそこにあるかは
自分には良くわからなかったよ
全員に向かって頭を下げた
君の肩の震えをみて
これは青春ごっこなんかじゃなくて
本物の血や肉のある戦いだったって
改めて感じた
ここにあるのは
偽物じみた爽やかさじゃなくて
本当の悔しさだけなんだ
こんな記憶を忘れる日がくるのかな
悔しさが滲んだあの日の君の顔が
薄れる日がくるとは
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