遠雷/ホロウ・シカエルボク
は僕だった
僕は突然その店を任されることになった
もう店の仕事のほとんどは把握していたから
僕もわりと誇らしい気持ちでオーナーの願いを受け入れた
君は画材屋を辞めて
お金の計算なんかを手伝ってくれることになった
僕は計算がてんで出来なかったから
初めはちょっとばたばたして
ひとり店を辞めた人なんかもいたけど
新しく働いてくれる人はすぐに見つかって
僕らは毎日遅くまで働いて
他のどこよりもいい店にしようと頑張った
そりゃあ簡単な話じゃなかったけれど
僕たちはまずまず上手くやっていた
五年目に僕たちは結婚した
店を一日閉めて
仲間
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