One Thousand 20th Century Chairs/捨て彦
 
ングラスかけた男が立ってた。
「タイムパトロールです」
と言って、男は二三度おれらの方を交互に見て、分かるよ、という感じで頷いた。




***




タイムパトロールもとい全身タイツの四十前後に見えるおっさんは、こんな姿で廊下にいたら不審者と思われるので、とりあえず君たちどちらかの部屋に入れてくれないか、と言ったが、おれたちは断固拒否した。おっさんは頼むと何度も言ってきたけど、なんだかちょっと公安の犬やからって偉そうだったのでおれたちは嫌味をしてやったのだ。しかしおれは途中で作戦を変更することを思いついた。それは、このおっさんの発言に便乗して部屋入りを拒否ってるユミち
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