One Thousand 20th Century Chairs/捨て彦
 
間は無言やった。
その静寂を破ったのはやはりおっさんだった。おれは横目でおばあちゃんを見ると、おばあちゃんは、おそらくこれから起こるであろう未知との遭遇に頬を赤く染めていた。
「えー、私こういう者です」
と言って、おっさんはまず名刺をくれた。なんたら警察サイバー犯罪課タイムパトロールどうのこうの。警部補という役職がついていた。ほんでそれからおっさんは、何故現代に来たのかを淡々と教えてくれた。要約すると、犯罪者が地球を滅ぼすほどの爆弾を持って現代に逃げ込んだので、それを追っかけてきたらしい。自分のほかにも何名か大阪に来た人間はいる。移動の際に時空が多少歪むので、思った通りの場所に出ることは中々
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