One Thousand 20th Century Chairs/捨て彦
いるという訳か。おっさん中々の器や。
「私も折角なんで女の子の部屋がいいです」
だがユミちゃんは中々折れない。断固拒否を繰り返す。さすがにおっさんもおれも万策尽きる。
「しゃーないなぁ。ほなおれん家くるか?」
もうさすがにおれも面倒くさくなってきたから、こっちが折れることにした。
「仕方ないですねぇ…」
なんだかおっさんも猛烈に残念そう…
「んじゃ行きますかぁ」
「あたしも行く!」
「来るんかい!」
意見がやっと纏まったのでおれの部屋の方に向かおうとした。そして進行方向を向いたとき、おれたちはそのとき初めて気がついた。一人のおばあちゃんがずっと、おそらくおれたちのやりとりの一部
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)