混濁する変質のミックス、鼓膜を欠く蛇の剥き身からの血液の模様/ホロウ・シカエルボク
けたようにただひたすら感情の波形を記録して変換してゆくものになど…風が強くなったな、おい、ひどく吹いているなぁ、あまりの勢いに首が根元からもげそうだ
枯れるにはまだ早い、全てのものが枯れ落ちてゆくには…なんといううんざりするような地熱だ、深酒の後みたいないびつな汗が身体の奥から滲み出してくる、晩夏―古い音楽のようにところどころ途切れがちな、晩夏
俺は口をつぐんでいたのだ、虫のように、静かに手をこする蠅のように、ぼんやりと…湿気と冷たい風がかわるがわるに訪れる季節に赤子の涎のようなネバつきを脳裏に感じながら
のたうちながらまぐわう蛇の記憶、こんな季節には必ずあの景色が記憶の表層をうろつく、あれ
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